2005 Fiscal Year Annual Research Report
多重修飾DNAライブラリを用いた応用インビトロ・セレクション法の開発
Project/Area Number |
17710179
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
桑原 正靖 群馬大学, 工学部, 助手 (40334130)
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Keywords | 核酸 / 有機化学 / バイオテクノロジー / 生体生命情報学 |
Research Abstract |
インビトロ・セレクション法によって酵素や抗体と類似の機能をもつDNA(機能性DNA)を創製することができる。酵素や抗体と類似の機能をもつDNAは、それらの特異的分子認識能を利用することによって、基礎生物学の研究ツールや医薬品などへの応用が期待されている。DNAは化学的に安定で変性し難い性質をもち、且つ、化学合成やポリメラーゼによって比較的容易に調製できるので、耐久性やコストなどの点において優れている反面、DNAには活性が低いという大きな欠点がある。これを解決し得る方法論のひとつに酵素や抗体の活性残基などを導入した修飾DNAライブラリを用いた応用インビトロ・セレクション法が考えられている。しかし、ライブラリの調製に必要なDNAポリメラーゼの基質特異性によって、DNAに同時に効率よく導入できる機能基の種類数は制約されるため、これまでに報告された応用インビトロ・セレクション法のほとんどは、1種類の機能基が導入された修飾DNAライブラリが用いられている。多くても2種類である。これまでの申請者の研究で、ポリメラーゼによる修飾ヌクレオチドのDNAへの取り込み効率は、修飾基の化学構造に大きく依存していることが分かっている。そこで本研究ではこれらの知見を基に、さらに3種類あるいは4種類の機能基を導入した多重修飾DNAライブラリを構築し、それらを用いたインビトロ・セレクションによって、(1)活性や特異性(2)機能の多様化(3)ヌクレアーゼに対する耐性などを飛躍的に高めた機能性修飾DNAの創出を試みている。本年度は既に開発したグアニジニウム修飾TTPおよびグアニジニウム修飾dCTPに加え、新たにグアニジニウム修飾dATPを合成し、それらを同時に用いたポリメラーゼ反応により、グアニジニウム・リッチな三重修飾DNAライブラリの調製に成功した。
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