2007 Fiscal Year Annual Research Report
多重修飾DNAライブラリを用いた応用インビトロ・セレクション法の開発
Project/Area Number |
17710179
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
桑原 正靖 Gunma University, 大学院・工学研究科, 助教 (40334130)
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Keywords | 核酸 / 有機化学 / バイオテクノロジー / 生体生命情報学 |
Research Abstract |
酵素や抗体と類似の機能をもつDRA(機能性DNA)は、インビトロ・セレクション法によって創製することができる。機能性DNAの特異的分子認識能を利用して、基礎生物学の研究ツールや医薬品などへの応用が期待されている。DNAは化学的に安定で変性し難い性質をもち、且つ、化学合成やポリメラーゼによって比較的容易に調製できるので、耐久性やコストなどの点において優れている反面、DNAには活性が低いという大きな欠点がある。本研究ではこのような機能性DNAの活性の向上や多様性の拡張を指向して、酵素や抗体の活性残基などを導入した修飾DNAライブラリを用いた応用インビトロ・セレクション法の開発を試みた。これまでの研究で、ポリメラーゼによる修飾ヌクレオチドのDNAへの取り込み効率は、修飾基の化学構造に大きく依存していることを明らかにしている。即ち、ライブラリの調製に必要なDNAポリメラーゼの基質特異性によって、DNAに同時に効率よく導入できる機能基の種類数は制約される。そこで、導入効率の良い酵素-修飾基質三リン酸の組み合わせを探し、それらを用いて、3種類の機能基を導入した多重修飾DNAライブラリの構築を検討したところ、5位置換ピリミジンヌクレオシド三リン酸および7デアザアデノシンヌクレオシド三リン酸を基質とし、KOD Dash DNAポリメラーゼを触媒としたプライマー伸長反応により高密度に修飾基が導入された修飾DNA分子の生成が確認された。さらに、ピリジンを修飾したdUTPおよびdATPのアナログを合成し、弱塩基を高密度に有する修飾DNAのライブラリを作製することにより、多重修飾DNAをライブラリとするインビトロ・セレクション系を構築することに成功した。
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