2005 Fiscal Year Annual Research Report
プリオンタンパク質の補助レセプター機能発現機構の解明
Project/Area Number |
17710188
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
有井 康博 青山学院大学, 理工学部, 助手 (60360484)
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Keywords | 狂牛病 / プリオンタンパク質 |
Research Abstract |
BSEいわゆる狂牛病はヒトに感染する。感染したヒトでは新変異型クロイツフェルト・ヤコブ病を発症する。この種を越えて感染する疾患はプリオン病と呼ばれ、社会的にも食の不安を誘発している。その感染因子は、正常型プリオンタンパク質(PrP^C)が高次構造変換した異常型プリオンタンパク質(PrP^<Sc>)と考えられている。しかし、PrP^Cの本来の機能が不明であるために、プリオン病の発症プロセスが明確でない。本申請課題の目的は、PrP^Cの本来の機能が運動神経におけるシグナル伝達に関与している補助受容体であること、相互作用領域がPrP^CのN末端領域であることを証明することである。プリオンタンパク質のN末端領域と運動神経に関与する候補分子の相互作用について、FRET法やそれを応用したαスクリーニング法などの分子間相互作用解析法を用いて、その動力学的パラメーターを明確にする。両分子の相互作用の定量性を示すことは、両分子の特異的な相互作用の証明に繋がる。また、相互作用した分子複合体について、X線結晶構造解析法を用いて複合体構造を原子レベルで明確にする。複合体の結晶構造が明らかになれば、その相互作用部位が特定できる 本年度は、FRET法に必要な分子の内、PrPのN末端側から長さを変えた分子のC末側に青色蛍光タンパク質(BFP)を付加させた6種の融合タンパク質(PrP-BFP)と候補分子のC末側に緑色蛍光タンパク質(GFP)を付加させた融合タンパク質の大腸菌発現系を構築した。PrP-BFPについて低温発現したところ、可溶性画分に全分子が発現された。現在、大量発現を行ない、精製法の確立を行なっている。一方、候補分子については発現ベクターが完成した段階で、今後発現条件を検討して行きたい。また、BFPの付加されていない組換え型PrPの発現系を構築し、低温培養する事で可溶性画分に生産した。
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