2006 Fiscal Year Annual Research Report
古細菌由来グループ2型シャペロニンの熱安定化の分子機構
Project/Area Number |
17710192
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
吉田 尊雄 独立行政法人海洋研究開発機構, 極限環境生物圏研究センター, 研究員 (60399566)
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Keywords | 古細菌 / 分子シャペロン / シャペロニン / 蛋白質 / 熱安定性 |
Research Abstract |
超好熱性古細菌Thermococcus sp.strain KS-1のシャペロニンは、分子量約6万のαβの2種類のサブユニットから構成されている。これらのサブユニットは、約80%の高い相同性を有するが、αは、低温適応型、βは高温適応型という、サブユニット間で機能的な相違がある。しかしながら、高い相同性にも関わらずサブユニット間で熱安定性が異なる原因は不明である。本研究では、シャペロニンサブユニット間の熱安定性の相違の原因を調べ、シャペロニンの熱安定化の分子機構を調べる。X線立体構造解析からシャペロニンサブユニットは3つのドメイン(頂点、中間、赤道)から構成されており、都合の良いことにN末端からC末端の順に赤道、中間、頂点、中間、赤道ドメインと分かれている。本年度は、熱安定性に関与する部位を同定するために、頂点、中間、赤道ドメインを交換した変異体の熱安定性を解析した。その結果、赤道ドメインをβ型にした変異体は、α型にした変異体よりも熱処理によりオリゴマーからモノマーへ解離しにくく、熱安定性が高いことがわかった。赤道ドメインにおけるαとβのアミノ酸配列の違いはC末端の20残基である。そこでβサブユニットのC末端の22残基をαに変えた変異体を作成し、熱安定性を調べたところ、αサブユニット並の熱安定性を示した。このことから、シャペロニンのC末端の20残基は、シャペロニンの熱安定性に関与する部分であることがわかった。また、αとβの機能の違いを調べるために、ATPase阻害剤のフッ化ベリリウムのリフォールディングにおける効果を解析し、αとβとには、熱安定性以外にも、機能的な違いがあることを示した。
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Research Products
(3 results)