2005 Fiscal Year Annual Research Report
観光事業の側面から捉えた「音楽都市ウィーン」の生成に関する文化史的研究
Project/Area Number |
17710196
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
小宮 正安 秋田大学, 教育文化学部, 助教授 (80396548)
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Keywords | 文化史 / 観光学 / 都市論 / 芸術諸学 / 社会学 / 音楽受容史 |
Research Abstract |
「音楽都市ウィーン」に関する従来の取り上げられ方を俯瞰し、観光事業という側面からの取り組み方法について、多角的に検討をおこなった。また19世紀後半以降から現在に至るまでの、ウィーンの観光事業に関する調査を開始し、この街が「音楽都市」としていかにみずからを演出してきたかについて調査を進めた。 とりわけ、2005年はウィーン国立歌劇場再建50周年、2006年はモーツァルトの生誕250周年と、ウィーンにとってはこの街が「音楽都市」であることを内外にアピールするに格好の機会となった。このような年を迎えるにあたり、観光と音楽という両方向からのアプローチを念頭に、次のような現地での資料収集やインタビューを実施した。 一般的な資料に関しては、ウィーンの市立音楽院図書館において、同音楽院教授のゲアハルト・ゲレートシュレーガー教授の助言を受ける他、オーストリア国立図書館、オーストリア連邦資料室、ウィーン市立図書館、ウィーン大学図書館等で文献調査をおこなった。 また観光事業の伝統ならびに音楽面に関しては、この街を代表する音楽機関であるウィーン楽友協会資料室長のオットー・ビーバ博士や、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団団員のイェルゲン・フォグ教授等の助力、助言を受けながら、文献や資料の調査を展開した。 さらに国内においても、音楽之友社や集英社等、音楽関係ならびに芸術関係の一般誌を発行している出版社、ならびにクラブツーリズムをはじめとする旅行会社において、1991年ならびに2006年のモーツァルト・イヤーを中心とした記事やパンフレットを収集し、ウィーンに関するイメージがメディアと観光事業との接点において日本でいかに形成されたかというテーマについて調査を行った。
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Research Products
(6 results)