2005 Fiscal Year Annual Research Report
ジェンダー統計視点による男女間所得格差の国際比較研究-「男性稼ぎ主」型を考える-
Project/Area Number |
17710207
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
杉橋 やよい お茶の水女子大学, ジェンダー研究センター, 専任講師 (60377009)
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Keywords | ジェンダー統計 / 男女間所得格差 / 性別賃金格差・差別 / 男性稼ぎ主 / 国際比較 |
Research Abstract |
1.ジェンダー統計に関する研究。ジェンダー統計について、過去10年間の発展経過を振り返り、現段階を確認し、今後の課題を検討した。成果は、「ジェンダー統計の現段階と課題」第49回(2005年)経済統計学会全国研究総会(於:立教大学)で発表し、経済統計学会『社会科学としての統計学』に掲載される予定。 2.韓国と中国における男女間所得格差の検討。お茶の水女子大学21世紀COEプログラム「ジェンダー研究のフロンティア-<女><家族><地域><国家>のグローバルな再構築-」の中国および韓国のそれぞれのパネル調査の1年度のデータを用いて、男女間の所得/賃金の格差を検討した。韓国についての成果は、2005年6月世界女性学大会(韓国)で発表、中国については、2005年10月に、「家計の収入」『家族・仕事・家計に関する国際比較研究 中国パネル調査第1年度報告書』pp.182-190で報告した。 3.共働き世帯の妻と夫の収入、および妻の家計への貢献度に関する検討。財団法人統計情報研究開発センター主催で提供されている1994年と1999年の全国消費実態調査の個票データ(リサンプリング・データ)を用い、雇用形態別、職業、年齢別に、妻の家計への貢献度について分析した。また、1992、97年、2002年の就業構造基本調査のリサンプリング・データを用い、雇用形態別に見た性別所得格差とそれを規定する要因がこの10年間でどのように変化しているかについても分析した。 2と3は、今後さらに進める必要がある。とりわけ3については、雇用形態、職業や年齢、世帯構成員別に、個人および世帯の所得水準と格差を丁寧に検討しなければいけない。ダグラス=有沢の法則が現在の日本でも当てはまるのかについても調べたい。これらの分析を、平成18年度に引き続き行い深めていきたい。
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Research Products
(6 results)