2005 Fiscal Year Annual Research Report
東海地方における外国籍女性の生活から考察する日本のグローバル化とジェンダー
Project/Area Number |
17710211
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
菊地 夏野 名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 講師 (00381898)
|
Keywords | マイノリティ女性 / 在日外国人 / 移民 / ジェンダー / フェミニズム / セクシュアリティ / 女性運動 / 女性に対する暴力 |
Research Abstract |
名古屋市および隣接地域における外国籍女性の状況を知るため、先行研究の分析とフィールド・リサーチを行った。先行研究としては日本における移民研究の蓄積を収集し、現在の研究状況の把握に努めた。また東海地域を中心とした移民研究者との交流を行った。フィールドワークとして、名古屋市で活動している外国人を支援する市民団体に調査を行った。ひとつは外国籍女性に対するドメスティック・バイオレンスに取り組む女性団体で、日本人女性の場合と外国籍の場合とで共通する問題と異なる問題と両面を考察できた。またフィリピン系移民を支援する当事者団体についても調査を行い、行政と連携しながら問題に取り組む状況を知ることが出来た。 それらの成果を韓国で行われた世界女性学会で発表し、貴重な交流を得ることが出来た。またアメリカ合衆国における移民女性の状況を知るために、サンフランシスコ市を訪問した。マイノリティ女性のためのDVシェルターやメキシコ系移民女性による組織などさまざまな市民活動の実際を知ることが出来た。 さらに、移民女性の問題を考察する上でひとつの基盤となるジェンダー研究について継続して研究活動を行った。マイノリティ女性の抱える問題状況を汲み取る上でどのようなジェンダー理論が必要となるのかということについて女性運動の歴史から探った。 以上の研究成果を論文および学会発表などにより公開し、様々な立場からの批判・意見を受けて捉え直すことが出来た。
|