2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17720029
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Research Institution | The Museum of Modern Art, Kamakura and Hayama |
Principal Investigator |
三本松 倫代 神奈川県立近代美術館, 企画課, 研究員 (90393074)
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Keywords | 現代美術 / ミュゼオロジー / 表象文化論 / 美術史 / 芸術社会学 |
Research Abstract |
20世紀以後の芸術における制作・受容論を考える上で重要な「芸術の場」としての研究活動機関=アート・インスティテューションについて、それらの多様化する状況を調査した。 主要な分析対象は欧米を中心とする近現代美術関連の研究機関、ビエンナーレに代表される短期開催の芸術系イヴェントの運営形態とその変遷である。今年度は6-8月の事前調査と訪問先の絞込み、相手先との調整を経て、9月13日から29日にかけて渡欧し、各地で資料収集を行った。 ヴェニス、トルコ、リヨンで開催されたビエンナーレを視察し、地方文化行政と民間参画の関係について運営スタッフに話を聞いた。また、リューネブルク大学(ドイツ)のアートスペースKunstraum der Universitat Luneburgを訪問し、大学における企画制作と学生教育について、所長・所員と意見交換を行った。 非収集展示機関としては、ドイツに特徴的な芸術協会(Kunstverein)について、ハノーファーで民営と公営の各館(Kestner GesellschaftとKunstverein Hannover)を、またパリの市立機関Palais de Tokyoを訪問し、企画制作と周辺事業(広報活動、普及・教育活動、資金調達など)のありかたについて館長、学芸員と意見の交換を行った。その他、フランスの現代美術地方基金(Fonds Regional d'Art Contemporain)イル=ド=フランス支部le plateauを訪問し、地方行政との連携によって学校など外部施設で開催する企画の制作運営について、また民間財団として展示施設とコレクションをもつカルティエ文化財団の催事企画担当者と同財団の制作運営について話し合った。国内でも仙台、宇都宮、横浜の諸機関と作家を訪問し、意見交換と資料の閲覧・収集を行った。 この訪問で収集した文献・映像・画像資料の整理を行ない、研究会において口頭発表を行った。
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