2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17720029
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Research Institution | The Museum of Modern Art, Kamakura and Hayama |
Principal Investigator |
三本松 倫代 神奈川県立近代美術館, 企画課, 研究員 (90393074)
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Keywords | 現代美術 / ミュゼオロジー / 表象文化論 / 美術史 / 芸術社会学 |
Research Abstract |
20世紀以後の芸術における制作・受容論を考える上で重要な「芸術の場」としての研究活動機関二アート・インスティテユーションについて、それらの多様化する状況を調査した。主要な分析対象は欧米を中心とする近現代美術関連の研究機関、ビエンナーレに代表される短期開催の芸術系イヴェントの運営形態とその変遷である。今年度は後発国の調査を主眼とし、6-8月の事前調査と訪問先の絞込み、相手先との調整を経て、9月にアジアの二カ国を調査したほか、2007年3月にロシアを訪れ、各地で視察とインタビュー、資料収集を行った。 シンガポールでは、初めて開催された同国のビエンナーレを中心に市内の美術館等を視察し、既存の行政・宗教施設を文化活動に転用する中での行政との関わり方を中心にディレクターをはじめ運営スタッフに話を聞いた。また、これと同時期に開催される韓国の光州ビエンナーレを視察しビエンナーレ間の連携について運営スタッフに話を聞いたほか、ソウル市内の国公立美術館、およびNPO、民間財団等の運営する美術館、ギャラリー、アートスペースを複数訪問し、ソウルを中心とする韓国の文化施設、特にオルタナティヴ・スペースの運営について、各施設の所員と意見交換を行った。 3月に訪問したモスクワでは、市内の数十箇所で開催されたモスクワ・ビエンナーレのうち主だったものを視察し、第1回との比較、モスクワ開催の背景等について、現地のジャーナリストから話を聞き、意見交換を行った。 これらの調査で収集した文献・映像・画像資料について整理し、研究会において口頭発表を行った。
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