2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17720043
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Research Institution | Musashi University |
Principal Investigator |
阿部 賢一 武蔵大学, 人文学部, 講師 (90376814)
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Keywords | 表象文化 / 移動文化 / プラハ / 難民 / 移民 |
Research Abstract |
本年度は、主として、二つの視点から研究が遂行された。まず、移民、難民、一時滞在者などが残したテクストにおける都市プラハの表象の問題、次に「難民」「亡命者」の表象全般に関する比較検討である。前者の視点においては、プラハに一定の期間滞在したリルケ、アポリネールらのテクストを主として検討し、移動文化の視点から文化的痕跡の諸相について考察を進め、次年度以降の論考の基盤を形成した。後者の視点においては、パリへ移住した作家ミラン・クンデラのテクストを文化政治的なレベルで捉えたうえで、その他の「難民」の表象事例との比較を行ない、その研究成果は、「『待合室』、あるいは『難民』の滞留空間」と題した論考にまとめられた(『武蔵大学人文学会雑誌』で近刊)。 その他にも、2007年2月には、本研究と関連する日本学術振興会「人文・社会科学振興のためのプロジェクト」研究領域V-1「伝統と越境-とどまる力と越え行く流れのインタラクション」第2グループ「越境と多文化」主催のワークショップ「「『声』とモダニティの転位-民衆・文化・共同体」を企画・開催した際に、英米文学研究者と意見交換を行い、脱領域的な接触をつねつね心がけている。
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