2005 Fiscal Year Annual Research Report
十九世紀米社会とエドガー・アラン・ポー文学の関連を分析する研究
Project/Area Number |
17720046
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
辻 和彦 福井大学, 教育地域科学部, 助教授 (70345669)
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Keywords | 米文学 / 一九世紀 / 歴史 / 社会 / ポスト植民地主義 / 文化 |
Research Abstract |
今回の科学研究補助金による助成を受けて行う予定の研究において、三年の期間内における研究過程としては、第一次段階として一次資料の調査、精読があり、第二次段階としてそれら資料の分析研究、並びに思想/批評理論援用のための研究がある。そして第三次段階としてこれらの研究を取りまとめ、論文及び著書として公表する準備作業がある。これらの三段階の行程を潤滑に進め,三年の期間内にエドガー・アラン・ポーの未だ知られざる側面を明らかにし,それによって十九世紀アメリカにおけるこの作家の新たな位置付けを提起するつもりであるが、今年度はアメリカにおいて資料等を収集する旅行をまず敢行した。不幸にして南部を襲ったハリケーン災害のせいで、予定していたニューオーリンズを訪れることはキャンセルせざるをえなかったが、残りのフィラデルフィア、ニューヨークにおいては予定通りに無事終わった。従って先に挙げた第一次段階の作業は資料収集旅行とそれに伴う作業をもって大方終了し、現在第二次段階の作業に入っている。また必ずしも順序にこだわることなく、準備が整ったものから先に公表し、研究を世に問うという姿勢を保つつもりであると研究計画において断ったとおり、一部第三次段階の作業も行っている。具体的には定評ある学会誌『中部アメリカ文学』に研究成果の一部を投稿し、無事審査を通過して採用されることが決定した。来年度においては同分野の研究者を募り、ポー文学の未開拓の分野を対象にした共著企画を実現するため、科学研究補助金出版助成に応募する予定である。
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