2006 Fiscal Year Annual Research Report
ヴィクトリア朝散文家におけるロマン派詩論の継承と発展
Project/Area Number |
17720050
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
虹林 慶 九州工業大学, 工学部, 助教授 (40315164)
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Keywords | ラスキン / 建築論 / ルソー / バイロン / ロマン派 / 国際情報交換 |
Research Abstract |
17年度の研究成果をもとに、次の事柄について研究を継続発展させた。1.ロマン派とラスキンの影響関係について。2.ロマン派とモリスについての影響関係について。 1については、昨年度行った、バイロンとラスキンの影響関係についての口頭発表を基に論稿をまとめた。海外雑誌に投稿したが、不採用に終ったため、再度日本語で論文としてまとめ発表した。これが一つ目の成果である。この一方、ラスキンとロマン派との影響関係についての研究を深め、特にルソーなどとの関連を取り上げ、論文としてまとめた。この論文はこれまで全くといってよいほど注意を払われなかった、ラスキンとルソーとの影響関係に注目し、特に幾つかの大事なコンセプトをロマン派継承の鍵として提案するものである。この研究論文は、ラスキン研究のメッカである、ランカスター大学のラスキンセンター発行の雑誌、The Ruskin Reviewに掲載されることが決定した。近日中に印刷される予定である。18年度の最大の成果である。 2については、全集を揃えることは叶わなかったが、ある程度必要資料を集めることができた。9月に渡英し、ヨーク大学のジェーン・ムーディー教授、グレアム・パリー教授らと議論しながら研究を深めた。その具体的内容は、モリスの後期ロマンス群におけるロマン主義的思想の解明と言説に現れたロマン派詩人たちとの影響関係の明示である。中世の封建主義的な世界観を呈していると言われるモリスのロマンス群がどのように近代的な感受性を両立させているかを考察することで、ロマンスという形式の新しい可能性について試論したい。現在、論文をまとめるべく、資料整理などを行っている。
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Research Products
(2 results)