2006 Fiscal Year Annual Research Report
19世紀アメリカ海洋文学の基礎的研究:ジオセントリズムのかたち
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17720051
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
山城 新 琉球大学, 法文学部, 助教授 (80363654)
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Keywords | 海洋文学 / 環境文学 / ジオセントリズム / 19世紀アメリカ文学 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、関連文献の解題および収集を行うと同時に、国際会議で発表し、海外の研究者らと積極的に意見交換を図った。 まず、The European Association for the Study of Literature, Culture and Environment (EASCLE)主催により、4月21から5月1日の日程でクラーゲンフルト大学(オーストリア)で開催された国際会議において"Rapture of the Deep : Exhilaration and Obstacles in the Underwater Experience"を発表した。この口頭発表が基になった研究論文が南アフリカのジャーナルに掲載予定であり、更に今回の会議での意見交換の中でインドでの環境文学研究団体: OSLE : Organization for the Studies of Literature and Ecologyより、Advisory Board Memberとしての推薦を受け、2006年9月に就任した。 8月11日-13日の日程でネヴァダ州リノ(米国)開催された"University of Nevada, Reno Graduate Program in Literature & Environment Tenth Anniversary Reunion/Great Basin Symposium on Literature and Environment"においては先の発表論考テーマを大幅に広げ日本文学作品を扱うことで海洋文学研究の国際的広がりの必要性について訴えた。因みに発表論文タイトルは以下のとおりである。"‘Rapture of the Deep': The Narrative Structure of Underwater Experiences--William Beebe, Jacques-Yves Cousteau, and Yazaemon Yamashita-"この中で海洋文学の中でも水中体験を扱った作品を取り上げ、その中で表現される美的描写、水中体験の表現技法、およびそれらから必然的に相対化されてくる陸上の価値観について論述した。 9月18日と19日にはロヨラ大学(チェンナイ・インド)で開催されたOSLE-India : Ecology and Culture : Interdisciplinary Approachesへ招待を受けた。都合により参加は叶わなかったが、代読で"Environmental Justice in the North American Ecocriticism : Its Origin and Practices"を発表した。その他、台湾の比較文学研究学術誌Tamkang Reviewに"Are Storms Integrative or Disintegrative?--Seascape as a Critical Framework in American Literature"が掲載された。 本年度の研究は海洋文学の中でも「海中」領域に焦点が絞られ、表現されるテーマや表現技法の分析が中心となった。
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Research Products
(2 results)