2006 Fiscal Year Annual Research Report
言語分析に基づく英語文体論の応用により文学テキストを英語教育に活用する方法
Project/Area Number |
17720063
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
寺西 雅之 兵庫県立大学, 環境人間学部, 助教授 (90321497)
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Keywords | 英米文学 / 文体論 / 英語教育 |
Research Abstract |
平成18年度に行った研究は、(1)文体論を用いた文学・語学研究と、(2)英語教育現場の視察、の2つに分けられる。(1)との関連では、まず昨年5月に関西外国語大学で開催された国際文体論学会(Poetics and Linguistics Association(PALA))に参加し、ソール・ベローの小説の文体に関する発表を行った。テーマは人称代名詞を実験的に用いたベローの文体とポストモダニズムとの関連で、文体論が文学研究において果すべき役割を再認識することを狙いとしたものであった。またこの学会にはランカスター大学のMick short教授ら英語文体論の専門家が多数参加しており、発表を通じて今後の研究課題も明らかになった。昨年11月には日本ジョージエリオット協会の全国大会シンポジウムにおいて「エイオット小説とポリフォニー」に関して発表を行い、文学研究における文体論の役割について議論を交わした。さらに研究論文として、ソール・ベローの小説の文体に関するもの関するものが、それぞれLanguage and Literature、『中国四国英文学研究』、そして『兵庫県立大学環境人間学部研究報告』に掲載された(11参照)。(2)との関連では、平成17年度に引き続き英国のArnbrook小学校における英語(国語)教育の視察を行った。本年度は、実際行われている「リテラシー」の授業を参観し、授業風景のビデオ録画も行った。参観した授業では、文学作品を用いてコミュニケーション能力の育成を実践していたが、そこで実際に教材として使用されていた文学テキストも入手した。これらの資料を基に、今後も英国のリテラシー教育と日本の語学教育との比較研究を継続していきたい。
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