2006 Fiscal Year Annual Research Report
バーナード・リーチの生涯と芸術に関する比較文化的研究
Project/Area Number |
17720065
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
鈴木 禎宏 お茶の水女子大学, 生活科学部, 助教授 (80334564)
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Keywords | バーナード・リーチ / 民芸運動 / イギリス / スタジオ・クラフト / 陶芸 / 比較芸術 / 比較文化 |
Research Abstract |
研究計画に従い、資料の蒐集・整理を継続しつつ、研究発表活動を行った。 国内では、昨年に引き続き岡山県倉敷市での調査を継続する一方、日本民藝館、豊田市民藝館などでも調査を行った。特に日本民藝館においては、これまでに行って来た調査を終え、一定の成果を上げることができた。 一方海外では、9月5日から19日までイギリスで研究発表と調査を行った。前者は9月9日、大英博物館にて、民藝運動に関する国際ワークショップで行った。後者としては、セント・アイヴスや、ウィンチクム・ポタリーの陶芸家フィンチ氏などを訪れ、近年の研究動向やリーチの足跡・影響を調べた。ロンドンで研究発表を行えたことが成果であった反面、残念ながらファーナムのクラフツ・スタディ・センターを訪れることはできなかった。 また今年度はイギリスだけでなく、フランスでも研究発表と調査を行う機会に恵まれた。3月30日にパリで行われた、フランス東洋陶磁学会主催の国際研究集会にて、リーチに関する発表を行った。また、晩年のリーチと親交のあった陶芸家、ファンス・フラン氏からお話を伺えたことは貴重であった。 以上の他にも、平成18年度は発表や講演の機会があった。リーチに関わるものとしては、7月31日に国際日本文化研究センターの共同研究会で「情報革命と工芸の将来」を、3A17日にはジャポニスム学会賞受賞講演として「『ポスト・ジャポニスム』考バーナード・リーチ研究から見えてきたもの」を、3月24日には千葉県我孫子市の白樺文学館主催の講演会で「バーナード・リーチの生涯と芸術」を話した。 資料の整理・分析に関しては、お茶の水女子大学の学生の協力により、テープ起こしや文献調査などの作業を地道に継続している。 平成18年12月に、拙著『バーナード・リーチの生涯と芸術』(ミネルヴァ書房)がサントリー学芸賞とジャポニスム学会賞を受賞した。これを励みとして、さらに研究を深化させていきたい。
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