2005 Fiscal Year Annual Research Report
中世から近代インドへの韻文の流れ-マートラー韻律の構造の解明-
Project/Area Number |
17720069
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Research Institution | Osaka University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
長崎 広子 大阪外国語大学, 外国語学部, 講師 (70362738)
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Keywords | インド学 / 韻律 / 詩論 / ヒンディー / コーパス |
Research Abstract |
中世ヒンディー文学のマートラー韻律を扱った詩論書の写本と資料の収集のため、インド(ベナレスのナーガリープラチャーリニーサバー)で現地調査を実施した。 今回の現地調査で新たに収集した資料(Chandohrdayaprakasha by Muralidhara kavibhushana, Hindi padya racana by Ramanaresha Tripathi)を含め、ヒンディーのマートラー韻律を規定した標準的な詩論書(Kavya prabhakara by Jagannatha Prasada 'Bhanu', Chandomanjari by Shri Gangadasa Pranita)を比較し,規定方法の相違点に注目しながら、それぞれの詩形の法則をプログラミング処理できるように符号化する作業を行う。詩形の数が多いので、次年度にわたって二年間で完成させる。 また、現地調査で伝承者によるマートラー韻律の詩形(sama-chanda)の朗誦を録音し、大学内のサーバ(http://hin.osaka-gaidai.ac.jp/)で公開した。詩形の朗唱の録音は現地調査のたびに行い、引き続きできるだけ多くのサンプルを集める。 中世ヒンドゥー教の宗教詩の中で主要な作品を電子テキスト化し、それを校正したものを上記のウェブ上で公開する計画の中で、本年度は、Dohavali by Tulsidasを公開した。 なお、電子テキストの韻律を分析しやすくするため、韻律構造を計算するとともに視覚化して表示するアプリケーションを開発する作業は今年度行う予定であったが、次年度も引き続き行うこととする。
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Research Products
(1 results)