2005 Fiscal Year Annual Research Report
マルト語文法の記述的研究とマルト語コーパスの作成・公開
Project/Area Number |
17720090
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Research Institution | Hakuoh University |
Principal Investigator |
小林 正人 白鴎大学, 経営学部, 助教授 (90337410)
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Keywords | ドラヴィダ語 / マルト語 / クルフ語 / コーパス |
Research Abstract |
本年度は、9月と2月、3月に二度の現地調査を行い、現地の公立学校の協力を得て、今後の研究の基礎となる語彙と文例を中心に収集した。 9月調査時には、ジャールカンド州パークル県に行き、県北部、中部の村々で聞き取り調査を行い、どの地域でマルト語が話されているかをまず調べた。ついで、パークル県ヒランプルとゴッダ県ダムニのジャールカンド州立先住民寄宿高校の協力を得て、サウリア・パハリア支族、マル・パハリア支族、クマールバーグ支族の複数の話者から基礎語彙と文を収集した。その成果は、Field Research on Minority Languages of South and South-East Asia : Working Papersに発表予定である。この論文においては、各地方、各支族のマルト語を、かねてから研究している姉妹言語のクルフ語と対比して、基礎的資料として提示した。 2月、3月の調査では、パークル県、サヘブガンジ県、ゴッダ県、ドゥムカ県のマルト語話者の村を訪ね、短文、民話、自伝、歌謡など多方面にわたって話を聞き、録音し、一部については書き起こしを行った。またドゥムカ県ゴーピーカンダル、サヘブガンジ県バンデルコラの先住民寄宿学校の協力を得て、マルト語圏の南東部と北部の出身者に聞き取り調査を行い、言語サンプルを録音した。これらの資料をもとに、マルト語の方言区域を見直した結果、従来は支族間の方言差とされていたさまざまな現象が、支族よりむしろ地域の方言のものであるという仮説を立てるに至った。 録音の一部はhttp://hin.osaka-gaidai.ac.jp/malto/に掲載しており、その他の録音も順次当サイトに掲載予定である。
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