2005 Fiscal Year Annual Research Report
裁判における言語分析モデルの構築とその許容性の理論的・実証的研究
Project/Area Number |
17720092
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
堀田 秀吾 立命館大学, 法学部, 助教授 (70330008)
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Keywords | 法言語学 / 言語と法 / 法と言語 / 商標 / 裁判 / 法と心理学 / 言語処理 / 言語科学と法 |
Research Abstract |
本年度は、以下の目標を掲げ、研究を行った。 「言語科学の知見を裁判過程や証拠の分析に応用、実用性に重点をおいた新しい言語分析モデルの構築」 ほぼ当初の予定通り、文献調査、および国内外の研究者、法学研究者等との接触・インタビューを通して、日本での応用に向けた問題を考察した。そしてその成果は論文として発表した。また、実用性の高い証拠分析法のモデル構築の一例として、実験ソフト(SuperLab)、および被験者を用いた商標分析モデル構築のための基礎実験を行い、その成果を香港で行われた言語処理の国際学会で発表した。 「カナダを中心とした裁判での言語科学の利用状況、研究動向の調査」 ほぼ当初の予定通り、カナダでの認知科学と法の代表的研究者であるJ.Senders、R.Corbin、および法廷での利用を目的とした証拠の民間調査機関、認知科学・社会科学の専門的知見を取り入れるのに積極的な法律家等から実験方法や応用可能分野等に関して知見・資料を提供してもらった。また、アメリカにおいて、警察機関、裁判所・立法府・行政府の訪問、裁判の傍聴などを通じて言語科学の利用状況、動向に関して現状調査、資料収集を行った。 「理論言語学の理論の法システム論の議論への応用」 当初の予定通り、文献を主にした先行研究調査を中心に行った。特に、明治期における西洋法の継受を法システムのダイナミズムを言語学で用いるシステム論を類推的に用いて分析を行った。その成果として論文は書いてあるが、発表先は未定である。 「法言語学の研究成果を、法学教育や専門英語教育に還元する方法を模索」 当初の予定通り、ESPの文献調査を行い、また法言語学の第一人者とも言えるMalcolm Coulthard氏に会い、彼のかかわった事件の資料をESPの教材として用いることに関し、承諾を得、法言語学をESPに用いる可能性を模索する論文を公表した。
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Research Products
(6 results)