2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17720093
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Research Institution | Mimasaka University |
Principal Investigator |
桐生 和幸 美作大学, 生活科学部, 助教授 (30310824)
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Keywords | メチェ語 / 言語記述保存 / ネパール |
Research Abstract |
ネパール東部のインド国境付近で話されているチベット・ビルマ系の言語メチェ語(ボド語支)の記述保存のための研究である。同系統の言語であるボド語はインド・アッサム地方において大きなコミュニティーを作っているが、ネパールにおけるメチェは少数民族であり、語者数も2001年の統計では約3000人と少数であり、村落によっては、子供がメチェ語を継承しなくなっている。ネパール国内においても、数ある民族の中でも保護の必要な少数民族10の内に数えられている。 本研究では、将来的に言語再活性化に役立つような包括的な記述文法書、辞書、物語などのテキスト集の作成を念頭に置いたメチェ語の基礎研究を行うことにある。メチェ語に関してはこれまで研究資料がほとんどないことから、以下の具体的な成果を達成するため3年間かけて研究を行う。 1.聞き取り調査を通じて、将来の言語保存・再活性化に役立つような語用論や機能的な観点から文法や談話・語法を調査し、実際の使用に即した記述文法書を作成する。 2.約5000語程度の語彙集を作成する。その中で、特に基本的な述語については、コロケーションや語法についても情報を記載する。また、文化情報や音声情報を集めたマルチメディアCD-ROMを作成する。 3.メチェ語の物語を集め、メチェ語、ネパール語、英語の3ヶ国語で訳をつけたテキストを編纂する。 4.言語使用の実体について、いくつかの村で聞き取り調査を行う。 5.同系統のボド語とも比較対照しながら、メチェ語独自の音韻・文法的な特徴を明らかにする。
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