2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17720093
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Research Institution | Mimasaka University |
Principal Investigator |
桐生 和幸 美作大学, 生活科学部, 准教授 (30310824)
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Keywords | メチェ語 / ボド語 / 記述研究 |
Research Abstract |
本年度は、研究の2年目で、昨年に引き続き、前半は、収集した未整理データの整理を行った。また、夏季ネパールでインフォーマント調査を行い、文法データの不明な部分を調査した。今回は、テンス、アスペクトの点についてさらに、深く考察を行い、また、文末接辞の用法について、詳細な記述研究を行なった。この文末辞は、アスペクト的な事態の変化を表すだけでなく、ディスコース上、連続する一連の出来事をマークするマーカーとして使うことが出来ることがわかった。この点については、ICSTLLにおいて成果発表を行なった。また、年度後半は、辞書データの整理に取り掛かり、これまで収集した語彙データをデータベースソフトで整理した。さらに、3月にメチェ語の近親言語であるボド語の調査をネパール・インド国境の付近で行った結果、このあたりのボド語は、ネパールのメチェ語かなりの割合で似通っており、アッサムのボド語ほど乖離していないことが分かった。このことから、地域的にネパールからインドヘかけて、メチェ語のボド語との連続性、および、メチェ語の広がりをある程度確認することが出来た。また、この期間に、録音した物語の書き起こしを行なうとともに、そのデータをもとに、SILのToolboxへのデータ入力を行なっている。また、これらの発話データをもとに格に関する分析を行った。メチェ語の格で問題となるのは、ボド語で主格と分析されているマーカーで、研究者のデータでは、必ずしも主格のみをマークするわけではないことが判明している。この点に関しては、さらに、データ分析、および、聞き取り調査による分布の確認作業が必要とされる。
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