2005 Fiscal Year Annual Research Report
中核語彙のデータベース化によるバリ語の"伝統的共時態"と"脱カースト化"の記述
Project/Area Number |
17720094
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Research Institution | Osaka University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
原 真由子 大阪外国語大学, 外国語学部, 講師 (20389563)
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Keywords | バリ語 / 語彙構造 / 敬語語彙 |
Research Abstract |
(1)本研究の基礎的作業であるバリ語中核語彙データベースのひな形を作成し、そこに原(1999b)と原・Sutjaja(2002)で精選した約3000項目の入力を開始した。文字フィールドは「正書法綴り」「発音・音韻的情報」「品詞情報」「形態論的情報」「先行研究における語義」「語彙意味論的情報」「敬語情報」および「コメント欄」を設定した。 (2)語彙研究、言語変化に関わる社会言語学的研究、敬語研究を中心とする論文・報告などの資料収集をおこなった。 (3)バリを含むインドネシア国内の言語状況、バリ語を含むインドネシアの地方語およびインドネシア語の言語構造や言語使用、そしてそれらの変化などについて、インドネシア語およびインドネシアの地方語の専門家と意見交換・討議をおこなった。 (4)バリ語語彙体系の中で重要な部分を占める敬語語彙にかんする4つの先行研究を、どれだけの敬語語彙が認定されているか、また認定された敬語語彙がどんな基準に基づいて分類されているか、これら2つの点を中心に比較、検討し、そしてバリ語敬語語彙の内部構造を明らかにした。また、ある敬語語彙の分類法の考察から、語彙構造の変化についての解釈を試みた。この研究成果は、研究代表者所属の大学紀要に掲載予定である(11.研究発表参照)。
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