2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17720095
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Research Institution | Okinawa International University |
Principal Investigator |
西岡 敏 沖縄国際大学, 総合文化学部, 准教授 (30389613)
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Keywords | 琉球語 / テキスト / 波照間方言 / 宮古方言 / 与那国方言 / 音声表記 / 中舌母音 / 琉狂言 |
Research Abstract |
平成18年度は、平成17年度に引き続き、琉球語諸方言によるテキストの収集と言語学的な記録を行なった。特に、波照間島の芸能・ことわざ、宮古方言の音声記述および昔語りの記述と分析、与那国方言のアクセント記述を中心に研究を進めた。 波照間島には地元の波照間方言によって演じられる芸能「一番狂言」が継承されており、毎年、盆行事ムシャーマにおいて演じられている。平成17年度より、筆者は、地元話者(男性)の協力を得て、この芸能を言語テキスト化し、言語学的に正確な記録と文法的な説明書きを試みている。その研究の中間報告については沖縄八重山文化研究会で口頭発表した。波照間方言では、カタカナによって記録されていたことわざの再録についても行なった。地元話者(女性)の協力を得て、ことわざの調査・録音を行い、音声記号で記録した。現在、その資料の整理中である。 宮古島方言では、宮古島に伝わる伝説を宮古方言(旧上野村)の話者(女性)の協力を得て、宮古方言に翻訳していただき、音声記号を付与して記録した。また、その伝説にゆかりのある地域(墓所・海岸等)を写真に収めた。また、研究者の間でも表記法が異なる宮古島の音声を正確に記録するため、地元話者(男性、旧城辺町)の協力を得て、発音上のポイントとなる点をつぶさに観察し、音声記号で表記した。 与那国方言には、多くの同音異義語があることが地元話者によっても知られているが、その多くはアクセントによる区別を持っていることが多い。そこで、与那国方言におけるアクセントの区別がどのような状態になっているかを具体的に調べ、三つのパターンから構成されていることを実際に確認し、音声記号・およびアクセント記号で記録した。 いずれも録音は行なっているものの録画を行なっていないので、平成19年度は録画による資料の充実を図りたいと考えている。
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