2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17720112
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
三好 暢博 旭川医科大学, 医学部, 講師 (30344633)
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Keywords | pro / 空主語 / PF-削除 / parameter / morphological uniformity / Verb second / rich inflection / transfer |
Research Abstract |
主語パラメータ自体の肥大化の問題を解決することを目的としている。本年度はその研究をもとにVerb-secondとreferential proが両立しないという前年度研究の観察が一般化として成立しうるか否かに重点を置くことで、屈折形態の豊かさを基にした空主語の分布の説明を再定式化する可能性を追求した。この可能性は先行研究で問題であったIceland語に代表される屈折形態が豊かであるにもかかわらずreferential proを許さない言語の存在を予測できる。具体的作業として、以下、二つに従事した。(1)ProのidentificationをVerb-secondが阻止するという観察の妥当性の調査を行った。(2)何故ProのidentilicationをVerb-secondが阻止するのかを明らかに。 (1)に関して、潜在的な反例がSanskmit(Vedic Sanskrit)であることを突き止め、現在調査中である。おそらくこの言語のcliticの複雑な分布が干渉要因となっている可能性があり、その点を考慮すべきであるという見解をとっている。(2)に関して、Complementizerの特性を利用した分析を模索した。より具体的には、近年のミニマリズムの主張に従い、strong phase headが各操作をいわば主導することでphase内の計算が行われるという仮説を追求し、phase-headと従来の機能範疇が協働する場合の条件が何であるのかを考察した。しかしながら、この可能性を追求するために、West Germanic諸語 (West Flemish, Bavarian等)のComplementizer Agreementを調査した。これらの言語のpleonastic proの分布から、顕在的なComplementizer Agreementを基にすると干渉要因が多すぎることが分かった。
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