2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17720115
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
縄田 裕幸 島根大学, 教育学部, 助教授 (00325036)
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Keywords | 文法化 / パラメター変化 / 法助動詞 / 原理・パラメター理論 / 分散形態論 / 言語変化 / 音韻部門 / 経済性 |
Research Abstract |
本研究の目的は,英語史において法助動詞の文法化が生じたメカニズムを実証的・理論的に明らかにすることである。具体的には,法助動詞の文法化に関する記述的資料をデータベースとして整備し,それをもとに原理・パラメター理論の枠組みで文法化の仕組みについての新たな理論を開発する。さらに,文法化とパラメター変化の関係について考察することで言語変化をダイナミックに説明することのできる文法モデルを構築し,言語理論に貢献することを目指す。 この目的を達するため,今年度は法助動詞の文法化を調査するためのデータベース作りを進めるとともに,文法化とパラメータ変化の関係についての理論構築を行った。その成果として,以下の2本の論文を公刊した。 1.「分散形態論による文法化の分析-法助動詞の発達を中心に-」『文法化-新たな展開-』所収 2."Grammaticalisation and the economy of vocabulary insertion" Textual and Contextual Studies in Medieval English : Proceedings of the 1st Conference of The Society of Historical English Language and Linguistics所収 いずれも,文法化現象を分散形態論の理論的枠組みで分析した論考である。論文1では,言語変化に習得の際に生じる深い層の変化とそれ以降に生じる浅い層の変化があるという「変化の二層論」に基づいて,パラメター変化が前者の変化に,法助動詞の文法化が後者の変化に,それぞれ属することを論じた。また論文2では,文法化に顕著に見られる変化の一方向性が,音韻部門における語彙挿入の経済性によって説明されることを論じた。
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Research Products
(2 results)