2005 Fiscal Year Annual Research Report
時の副詞の解釈と時制・相意味論-英語・ドイツ語・日本語の比較研究
Project/Area Number |
17720117
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Research Institution | Hirosaki Gakuin University |
Principal Investigator |
楠本 紀代美 弘前学院大学, 文学部, 助教授 (50326641)
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Keywords | 英語 / 時の副詞 / 日本語 |
Research Abstract |
本研究の目的は、英語、ドイツ語、日本語における様々な時の副詞(句、節)の解釈を比較し、その類似および相違点がどこまで英語vs日本語・ドイツ語というスキーマに当てはまるかを検証し、またその違いが時制・相の体系のどのような違いに由来するかを明らかにすることである。本年度は、これまでの研究成果(Kusumoto 2004,von Stechow 2004)でのsince, seit,「から」の意味論をふまえ、名詞句を補部とするuntilと「まで」の類似・相違点を中心に研究をすすめた。この2つは肯定文では動詞のAktionsartの選択に関し同一の制限を課すが、否定環境においては異なった振る舞いをすることがわかった。この比較言語学的事実は、これまで提案されてきた2つの意味理論のうち片方では容易に説明できないと論じ、もう片方の理論を支持した。(Japanese/Korean Linguistics Conferenceで発表、Kusumoto 2006で出版予定。)このことにより、「から」と「まで」は意味的に鏡像イメージを持つのに対し、英語のsinceとuntilを同様の意味論でとらえることができないことがわかる。また、untilは肯定文と否定文における意味の違いがあるため、否定の意味を研究することが必要になる。今後、この研究にドイツ語を加え、さらに文を補部とする構文も研究対象に含める予定である。
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