2005 Fiscal Year Annual Research Report
Webを利用した日本語学習者の読解プロセス測定システムの構築
Project/Area Number |
17720121
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
高橋 亜紀子 宮城教育大学, 教育学部, 助教授 (10333767)
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Keywords | 日本語教育 / 読解 / 読解プロセス / 読解指導 / コンピュータ / システム |
Research Abstract |
日本語学習者の読解指導を効果的に行うためには、教師が学習者の読解プロセスを理解することが必要である。しかし、この読解プロセスを調べるための従来の方法は、時間とコストがかかりすぎ、現場の教師が利用するのは難しい。そこで、現場の教師が教室で利用でき、個々の学習者の読みの特徴もつかめる、「Webを利用した読解プロセス測定システム」として実現するのが、本研究の目的である。 初年度(本年度)は、研究計画の立案、読解プロセス測定に関する先行研究の収集、現システムの評価を行った。なお、現システムは、Web上に教材となる日本語の文章とその読解をサポートする情報(語彙、文型、談話、構造)を用意し、学習者がどのサポートを利用したかをサーバーにログとして記録して読解過程を推測するものである。 現システムの評価は、2回に分けて行った。第1回目は、国内の日本語学習者にシステムを利用してもらい、その様子を観察するとともに、学習者にフォローアップインタビューを行った。その結果、システム操作の十分な説明が必要なこと、画面の見易さ(文章の提示の仕方、文字の大きさ、色)に問題があること、学習者が利用するサポート情報に偏りがあることが分かった。画面の見易さについては、改善を行った。 第2回目の評価は、海外の日本語学習者(英語圏)を対象に行った。第1回目の問題点を踏まえ、同じ形式で調査を行った。その結果、第1回目同様、サポート情報に偏りがあること、新たな問題点として1文あたりの読解時間も測定する必要があることが分かった。 次年度は、この問題点について分析した上で、システムを改善し、再度学習者からデータを収集する予定である。なお、本年度の研究成果については、オーストラリアの学会で口頭発表を行った。
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Research Products
(1 results)