2005 Fiscal Year Annual Research Report
外国人研修生の日本語習得と、受け入れ企業や地域との関わり
Project/Area Number |
17720124
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
御舘 久里恵 鳥取大学, 国際交流センター, 講師 (60362901)
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Keywords | 日本語教育 / 日本語習得 / 外国人研修生 / 地域日本語教室 / 地域の国際化 / コミュニケーション |
Research Abstract |
鳥取県内で技術研修を行っている中国人研修生4名に母語でインタビューをおこない、現在の研修生活や帰国後の希望、日本語学習についての希望などを尋ねた。また彼女たちが参加している地域日本語教室での学習活動を録音し、その一部を聞いてもらいながらフォローアップインタビューをおこなって、日本語教室における学習と習得の状況を調べた。一方、彼女たちが研修をおこなっている企業の受け入れ担当者にもインタビューをおこない、研修生とのコミュニケーションにおいて感じていることなどについて尋ねた。 研修生へのインタビューから明らかになったことは、彼女たちが主に経済的理由から研修制度に参加していること、日本で研修しているからには日本語を身につけて帰国したいと考えているが、研修生活においてあまり日本語を話す機会がないこと、企業の人とのコミュニケーションにおいては、方言の聞き取りに苦労していること、などである。地域の日本語教室に対しては、能力試験などの資格取得のために文法を教えてもらうことを望む研修生と、会話や聞き取りの力を伸ばしたいと望む研修生とに分かれた。 企業の受け入れ担当者へのインタビューからは、日本語そのものの問題よりも、研修生たちが企業側に遠慮をして本心を話さないことなどから誤解が生じてしまうというようなコミュニケーションの問題を抱えており、実務に使う日本語も必要ではあるが、それ以上に自身の感情を上手に日本語で表現できるようになることを望んでいることがわかった。 今後は教室活動の録音データを詳細に分析して、習得状況を微視的に捉えると共に、研修先の上司や、日本語教室を運営する財団職員や教室の講師など、他の関係者にもインタビューをおこない、外国人研修生がより充実した研修生活を送るために各関係機関がどのように協働していけるのかを探っていきたい。
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