2007 Fiscal Year Annual Research Report
コーパスを利用した習熟度別日本人英語学習者のエラー研究
Project/Area Number |
17720137
|
Research Institution | Takasaki City University of Economics |
Principal Investigator |
阿部 真理子 Takasaki City University of Economics, 経済学部, 准教授 (90381425)
|
Keywords | 学習者コーパス / エラー分析 / 英語習熟度 / 発達指標 / 日本人英語学習者 / 第二言語習得 / 話し言葉 / 書き言葉 |
Research Abstract |
平成18年度に完成した日本人英語学習者の話し言葉と書き言葉のデータ収集を続行し,学習者コーパスの規模を拡大させた。その上で,そのデータを利用した研究を行った。 1.日本人英語学習者の書き言葉の概観的な分析は『日本人中高生1万人の英語コーパスJEFLL Corpus-中高生が書く英文の実態とその分析-』の中で,中間言語のエラー分析の部として出版された。品詞別のエラーの傾向について,中学1年から高校3年までのデータを学年別にエラータイプ(脱落、過剰、置換)の観点から記述した。また同書籍の中で,日本人英語学習者が誤りやすいとされる"come to do/become to do"という項目について,British National Corpusを用い,母語話者と学習者の使用状況はどのような点において,どの程度違いがあるかについて分析し,教育現場での指導についての提言を行った。 2.PacSLRF2008,The 3^<rd>National Symposium on SLA,Beijing大会(2008年3月23日)において,研究成果を発表した。国内外の第二言語習得研究やコーパス言語学の研究者が参加するこの学会では,学習者データの分析方法,および中国人英語学習者コーパスを用いた最新の研究動向について,様々な情報と新たな知見を得た。以下は,研究結果の内容についてである。(1)動詞の相,および形の選択に関しては,時間的制約が少なく,学習者がその項目に注意を向けることが出来れば,誤答率が下がる。(2)名詞の単複のように規則が単純であっても,日本語には存在しない項目は,時間的制約が少なく注意を向けることができる状況においても,誤答率が上がる。(3)主語、動詞の人称、数の不一致は,学習者の注意に関係なく,習熟度が上がれば,誤答率が下がる。(4)語彙や時制など,学習者の注意にも,習熟度にも影響されることがない項目がある。
|
Research Products
(1 results)