2005 Fiscal Year Annual Research Report
英語学習者の語用力レベルを測定するためのテスト開発
Project/Area Number |
17720141
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
松村 省一 龍谷大学, 国際文化学部, 助教授 (90331131)
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Keywords | 語用力 / テスト開発 / 留学 |
Research Abstract |
本研究の目的は、語用力レベルを測るテスト(文書版および映像版)の開発である。第2言語習得研究の分野で、半年以上の長期留学を終え帰国した学生のTOEFLスコアが留学前とそれほど変わらないという結果が国内外で数多く報告されている。それらの報告から推考できることは、彼らは留学で英語力を伸ばせなかったのではなく、TOEFLでは測ることのできない英語力を習得してきたのではないかということである。そうした英語力の一つとして語用力が考えられる。しかし、TOEFLやTOEICなどの既存の標準テストでは語用力レベルを測ることはできない。その結果、文法的に不十分でも語用的に適切なコミュニケーションをとる実力のある学生が、それらのテストでは低く評価される可能性がある。学習者が留学を通して習得したコミュニケーション能力を適正に評価できるテストの開発を目指し、平成17年度は、これまでに開発された語用力の測定に関連した資料を国内外で収集した。また、留学生および留学から帰国した学生の語用力の変化を観察するために、質問紙による調査、およびインタビューによる聞き取り調査を行った。さらに、収集したデータをもとに、開発する語用カテスト(文書版)の場面の選定、各場面における選択肢の選定、および英語母語話者による内容の検証を繰り返し行い、テスト草案を作成した。平成18年度は、テスト草案を留学予定者に試験的に実施し、内容の妥当性について再度検証し、適宜修正を加えながらテストの質を高め、文書版語用力測定テストの完成を目指す。
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