2006 Fiscal Year Annual Research Report
英語学習者の語用力レベルを測定するためのテスト開発
Project/Area Number |
17720141
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
松村 省一 龍谷大学, 国際文化学部, 助教授 (90331131)
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Keywords | 第2言語習得理論 / 中間言語の語用論 / テスト開発 / 留学 |
Research Abstract |
平成18年度は、半年あるいは1年の英語圏への留学から帰国した学生、および、日本の大学で外国語として英語を学習している学生を対象に、語用力テスト文書版を試験的に4回実施した。まず、テストアイテム群を作成し、それをもとに2種類のテストを用意し実施した。次に、収集したデータをもとに各アイテムの妥当性にっいて共分散構造方程式モデルを用いて検証した。その分析結果に英語母語話者の意見を加え、テストアイテムへの加筆、修正、追加、削除を行った。改良されたテストアイテムを含んだテストは、同じ被験者に6ヶ月の間隔をあけて実施するとともに、カナダの大学の英語母語話者50名にも実施した。 さらに、カナダへの留学から帰国した学生18名を対象に、文書版テスト全般について聞き取り調査を行った。また、留学で習得した語用力を日本にいながらにして維持していくために、それらの学生が具体的にどのような方法を用いているかについてもデータを収集した。この部分のデータ分析の結果は、国際学術誌Intercultural Pragmatics(2007),Vol.4,Special Issueに報告している。 今後の課題として、音声版テスト、音声映像版テストの作成がある。これらのテストでは、音声情報、映像による情報が、語用の適切・不適切を判断するための大きな手がかりとなる。その際、録音、録画にかかわる英語母語話者の発話の特徴をどのように定義していくかが重要な問題となる。語用力の発達の「発達」が意味するところを再考察する必要があると思われる。
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