2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17720151
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
朴澤 直秀 岐阜大学, 地域科学部, 講師 (70377696)
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Keywords | 近世史 / 日本 / 宗教 / 政策 |
Research Abstract |
本年度は、研究課題遂行にかかる基礎調査的作業を中心に、史料・法令の調査・収集作業などの研究活動を行った。 一つには、問答集の校訂作業や、判決の流布過程の検討を行った。前者としては、東北大学附属図書館において、所蔵の問答集と刊本とを対照し、記事の校訂作業を行った。また後者としては、享保年間における、離檀禁止をめぐる裁判の判決文の流布過程の検討を行った。この検討の成果については、『国文学解釈と鑑賞』第70巻第10号(2005年10月)に、論文「近世仏教をめぐる通念の醸成」として公表した。 さらに、幕政・藩政史料の調査・収集作業を行った。主な調査対象は、東京大学法学部法制史資料室所蔵標本のうち「笠間藩寺社留」他、及び、金沢市立玉川図書館近世史料館所蔵「加越能文庫」における寺社行政関係史料である。 「笠間藩寺社留」は、実際には幕末の土浦藩主土屋寅直に関係した、奏者番・寺社奉行等の執務のための手留類が大部分を占めると考えられ、幕府の寺社政策や儀礼等について俯瞰・参照するに有用な史料群であると考えられる。また「加越能文庫」は、加賀藩藩政、『加賀藩史料』の編纂に関する史料群であるが、そのうち、寺檀制度をめぐる通説に関する再評価に関わる史料など、寺社関係の史料につき調査・収集を行った。これらの史料については適宜一層の分析を進め、次年度以降の研究遂行、成果の成稿につなげていきたい。
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Research Products
(1 results)