2006 Fiscal Year Annual Research Report
北朝隋唐期における仏教教団の宗教活動と中国の国家及び社会に対する影響の研究
Project/Area Number |
17720177
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Research Institution | Sapporo University |
Principal Investigator |
高瀬 奈津子 札幌大学, 文化学部, 講師 (00382458)
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Keywords | 中国史 / 仏教社会史 / 石刻学 / 仏教美術 |
Research Abstract |
本研究は、北朝晴唐期の仏教教団の活動内容を、おもに仏教関連の石刻史料を利用して考察し、教団の中国社会への影響を地域別、時期別に分析、研究することが目的である。平成18年度も前年度に引き続き、まず、北朝晴唐期の仏教石刻史料の研究書・報告書類を収集し、おもに北朝期を中心に仏教の造像記に関する石刻史料の整理とデータ入力を進めた。また、平成18年9月と平成19年3月に中国の山西省と陳西省、山東省に行き、同地の仏教関連遺跡や博物館などを訪れ、仏教石刻史料の調査と情報収集を行った。 前年度からの研究基盤から、次のような研究成果を挙げることができた。「山東省済南市の龍洞石窟について」は、前年度に調査した龍洞石窟の調査結果をまとめ、同石窟の近くにある黄石崖石窟とあわせて北朝後期の山東西部の仏教信仰について検討した。また、「中国山西省の南浬水石刻について」は、今年度の9月の調査で得られた知見をもとに、沁県の南涅水石刻について、造像塔を中心に内容と特徴をまとめ、他の地域との比較から北朝後期の山西東南部の仏教信仰の特色について検討した。また、平成18年7月には國學院大學で行われた入唐求法巡礼行記研究会において、「五台山普通院の成立と中唐の仏教教団」と題する報告を行った。報告では、五台山普通院の制度内容と運営を明らかにした上で、五台山仏教教団の中唐仏教における位置付けを行い、あわせて唐代後半期の仏教教団と国家との関係、教団が国家に対してどのような役割を果たしていたのかを発表した。
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Research Products
(3 results)