2005 Fiscal Year Annual Research Report
モンゴル帝国時代初期中国黄河流域支配の政治史・文化史的研究
Project/Area Number |
17720178
|
Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
櫻井 智美 明治大学, 文学部, 講師 (40386412)
|
Keywords | モンゴル帝国 / 中国 / 黄河 / 河南 |
Research Abstract |
1,モンゴル時代前後、金王朝の成立からモンゴル帝国・元朝の崩壊(1388年)までの碑刻・墓誌を対象として、1990年以降出版の単行本・雑誌における石刻資料の記事についてリスト作成を進めた。予定していなかった原因(人員確保の問題、『全元文』など大型叢書の刊行)により、データベース作成に割く予算を減らし、史料の購入に充てた。データベースの作成は、来年度も引き続き行なう予定であるが、本年度中に発表された、森田憲司「可看河南拓影目録」(『13,14世紀東アジア史料通信』第4号、当雑誌の発行には筆者が分担者として参加する森田憲司氏代表の基盤研究(B)があたる)をもとに、本研究が主な対象とする河南地域については、河南のみを対象とする別のデータベースの作成も開始した。 2,モンゴル帝国時代に限らず、宋代から現代まで幅広く、河南省済源市附近を対象とした地方志や石刻書及び先行研究について調査検討し、特に、宋代以降の当該地域について、遼との関係、金朝治下の軍事・政治・祭祀活動について知見を深めた。さらに、モンゴル時代初期における黄河流域の支配を文化史な側面からも検討する目的で、国家が関わる中国的祭祀活動や、当該地区における道教徒の活動に焦点をあてて考察を進め、「モンゴル帝国治下漢地における中国的祭祀」及び「元代の北岳廟祭祀とその遂行者たち」についての口頭発表を行った。内容については、モンゴル帝国の専門研究者からも意見を得た。 3,来年度以降の現地調査に備え、現地の研究者数名と連絡を取って、協力を約束した。また、現地へ持参すべき材料(先行研究・各時代の文物リスト)などについて、コピーやインターネットを通した史料の収集・整理をすすめた。
|