2007 Fiscal Year Annual Research Report
モンゴル帝国時代初期中国黄河流域支配の政治史・文化史的研究
Project/Area Number |
17720178
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
櫻井 智美 Meiji University, 文学部, 講師 (40386412)
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Keywords | モンゴル帝国 / 中国 / 黄河 / 河南 / 祭祀 |
Research Abstract |
一昨年度より継続中の、1990年以降出版の雑誌における元代石刻資料記事のリスト作成については、院生を雇用して、地域性のある考古学雑誌や、美術系の雑誌にも対象を広げ、1990年代に絞って検索して関連記事の複写・整理と、そのデータベース作成を行った。研究代表者所属機関所蔵の雑誌を優先して、1989年以前の目録の凡例に沿って私家版のデータベースを作成した。不足の資料は、研究者仲間より閲覧の許可を受けたり、他機関での調査によって補ったりしている。データベースの精度を上げるため、ウェブなど一般への公開は20年度を考えている。 19年度には、元代研究に大きく寄与する新資料『至正条画』が、韓国学中央研究院より出版され、それに併せて学会が該研究院で開かれた。『至正条画』は、その内容が本研究課題にも深く関連し、また、資料学として石刻資料との比較検討も必要な資料であり、急遽、学会に参加を決めた。韓国・中国・台湾・合衆国における関連資料への取り組みの情報も得、校訂資料をいち早く研究に利用する環境が整えられた。なお、計画していた河南方面への出張は予算の都合から平成20年度に期した。出張時期の変更により、河南方面についての資料整理も、優先順位を下げて整理途中にあるが、調査先との連絡は引き続き行っている。 モンゴル時代の漢地における国家祭祀の考察については、河南地域のものとして、中嶽・東涜(淮水)・西涜(黄河)について資料を収集して知見を整理することができた。五嶽四涜四鎮四海については、河南地域とは離れた地域の、例えば、五嶽廟・北鎮廟などでは歴代の崇拝も篤く、解放後も比較的早くから整備が進められている。しかし、西涜を初めとする、それ以外の歴史的な祭祀施設は、移動を経たところもあり、破壊や荒廃が著しい。関連資料の保存状態も問題があることが推測され、現状と文献内の記述との乖離が考えられた。
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Research Products
(2 results)