2008 Fiscal Year Annual Research Report
モンゴル帝国時代初期中国黄河流域支配の政治史・文化史的研究
Project/Area Number |
17720178
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
櫻井 智美 Meiji University, 文学部, 講師 (40386412)
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Keywords | モンゴル帝 / 中国 / 黄河 / 河南 / 祭祀 |
Research Abstract |
本年度は、本研究課題の中心的計画であった、河南方面への現地調査を行った。河南省済源市を中心に、現存する遺跡や元代の建造物と石刻の調査を行った結果、未公開の碑文を含めた碑刻の所在・現況を確認するとともに、それら石碑の構成と内容から、当地がモンゴル帝国初期の軍事・政治において極めて重要な地点であったこと、また、当該地域に流行した道教の勢力とモンゴル・元朝政権が密接に結びついていたことが、改めて確認された。調査結果については、平成21年度中に公開予定である。また、済源市における現存碑刻資料の整理も、学生を雇用して行った。こちらは、まだ校正が不十分であるが、近く整理を終えて、情報を提供いただいた済源市の済涜廟管理処に贈呈するとともに、必要があれば公開したい。 継続中の、1990年以降出版の雑誌における元代石刻資料記事のリスト作成については、昨年度作成した私家版のデータベースをもとに、研究代表者所属機関以外に所蔵される雑誌によってデータを充実させるとともに、これまで作成した部分をもう一度校正して厳密さを期した。主な地域考古雑誌の中で、部分的にまだ未調査のものが残されているため、その拡充を以て公開を予定している。 河南だけに止まらない、元代の岳涜祭祀の全体像の研究は、平成21年度の参加学会テーマとの関係から、当時の首都大都(北京)におけるものを優先して進めた。これまで収集した各地の岳涜の現状と当時の状況に関する情報を統合し、元代の祭祀全体に位置づける作業を今後行っていく予定である。
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Research Products
(3 results)