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2005 Fiscal Year Annual Research Report

ロシア中世国家における権力の正統性の確立の研究

Research Project

Project/Area Number 17720182
Research InstitutionHokkaido University

Principal Investigator

宮野 裕  北海道大学, 大学院・文学研究科, 助手 (50312327)

Keywordsロシア / 中世史 / 法典
Research Abstract

研究代表者は、上記研究課題について、二点について進めることが出来た。
第一に、研究代表者は、15世紀後半にロシアにおいて問題になっていた破戒修道士に対する、当時の協会の活動家ヨシフ・ヴォロツキーの対応を考察し、そこにおいて、後に、大公権力の正当化のために使用されることになる、教対者を宗教的異端者として告発する理論の萌芽を見出した。この理論は、それまでと異なり、神学的な系譜関係の証明を必要としないものであった。従ってこの理論は、比較的自由に敵対者に適用可能であり、排除の論理を支えた。後にこれを国家権力が利用することになる。その反面、ロシアの国家権力は、テオクラシー的な自己の権力の正当化を行うことになる。
その際、研究代表者はロシアに滞在し、現地研究者と交流し、15-16世紀の国家権力の正統性について、彼らから有益なアドバイスを受けたことを記しておく。
第二に、16世紀ロシア国家の法的基盤の解明のために、イヴァン雷帝の法典の日本語訳を作成し、これに訳注を付けた。法典訳はもちろん国内で初めての試みである。但し更に強調されるべきは訳注である。これは、単なる条文の訳ではない。訳注では、特に15世紀末のイヴァン三世時代の法典(1497年法典)との比較検討が行われた。それにより、国家権力の正統性を支える法的担保について、またそれを支える人的装置について、まだ不十分ながら研究を進めることが出来た。この研究は次年度にも継続される。

  • Research Products

    (2 results)

All 2005

All Journal Article (2 results)

  • [Journal Article] 15世紀末のロシアにおける修道制批判とヨシフ・ヴォロツキーによるその処理方法2005

    • Author(s)
      宮野裕
    • Journal Title

      西洋史論集 8

      Pages: 1-24

  • [Journal Article] イヴァン四世雷帝の「一五五〇年法典」---訳と訳注(一)---2005

    • Author(s)
      栗生沢猛夫
    • Journal Title

      北海道大学大学院文学研究科紀要 116

      Pages: 115-185

URL: 

Published: 2007-04-02   Modified: 2016-04-21  

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