2005 Fiscal Year Annual Research Report
ベトナム・ホーチミンの鮮魚流通と市場商人の取引関係
Project/Area Number |
17720219
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Research Institution | Nagoya Sangyo University |
Principal Investigator |
池口 明子 名古屋産業大学, 環境情報ビジネス学部, 講師 (20387905)
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Keywords | 市場 / 水産 / 流通 / ベトナム / 東南アジア |
Research Abstract |
(1)カントー大学水産学部との研究計画会議 ベトナム・カントー大学水産学部のDuong Nhut Long教授をはじめ3人の研究者と会議をおこない、今後2年間の研究目的・手法・スケジュールなどに関して打ち合わせをおこなった。 (2)淡水魚養殖の生産に関する文献収集とこれに基づく生産地域区分 ベトナム・カントー大学において水産地理学的な文献の収集をおこなった。これらの文献および水産学部スタッフからの聞き取りにより、メコンデルタにおける水産養殖の生産形態とその空間分布を把握した。 (3)カントーにおける市場分布と鮮魚流通経路の調査 ホーチミン市の流通段階上の位置づけ、および調査手法の検討をおこなうため、メコンデルタの中心都市カントーにおいて市場の空間分布と鮮魚商人への聞き取りをおこなった。その結果、カントー市内にはいくつかの露天市場が分布すること、鮮魚は主としてハウ川沿岸に位置するタンアン卸売市場から流通し、担い手は近郊の特定の村落、および家船居住者に集中することが明らかになった。 (4)カントー市近郊(稲作-養魚システム)、アンギャン省(ナマズモノカルチャー)、およびメコン川河口(ハマグリ養殖)の生産実態調査 メコンデルタの養殖生産の実態と産地流通の現状を知るため、3つの生産形態について現地調査をおこなった。その結果、ナマズ・ハマグリは輸出先を変えつつ流通がますますグローバル化しており、その加工・生産方法・および担い手も流通の変化にともない変化していることが明らかになった。また稲作-養魚システムについてはより取引コストの小さな生産方法に変換することによって近隣都市から中心都市ホーチミンに販売先を得ている事例が確認された。
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