2006 Fiscal Year Annual Research Report
ベトナム・ホーチミンの鮮魚流通と市場商人の取引関係
Project/Area Number |
17720219
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Research Institution | Nagoya Sangyo University |
Principal Investigator |
池口 明子 名古屋産業大学, 環境情報ビジネス学部, 講師 (20387905)
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Keywords | 市場 / 水産 / 流通 / ベトナム / 東南アジア |
Research Abstract |
本研究では、ベトナム・メコンデルタを対象として、低地農業と養魚を組み合わせる複合生産システムがどのような流通経路を形成しているかを明らかにすることを目的とした。とくに住民にとって身近な市場商人の活動に注目し、近年の流通の変化を検討した。本年度の具体的な研究成果は以下のとおりである。 1.ベトナム・メコンデルタの複合生産システムの現況 沿岸部の複合生産システムとしてハマグリ養殖地に着目して調査をおこなった。日本をはじめとする東アジア市場への供給増加を背景に、ベンチェ省を加工・輸出地として生産地が編成されている。成貝の育成組織として2000年以降合作社が形成され、漁場の排他的利用が始まっていることが明らかになった。この組織の運営の特徴、および空間的展開について、それぞれ地域漁業学会(11月)・経済地理学会中部例会(2月)で報告した。 2.ホーチミン市における市場の形成と流通経路の変化 ホーチミン市中心部の4区において、市場の分布と形態、鮮魚商人の居住地・販売魚種・仕入れ方法等について聞き取りアンケート調査を実施した。ホーチミン市では2004年に大規模な卸売市場が郊外に設立され、流通の一元化が図られた。従来市内に複数立地していた卸売市場は、その機能を小売に限定しつつある。商人の多くは市内居住者であり、近年中北部からの参入者も現れているが、メコンデルタの居住者はごく限られている。ハノイに比べて近郊生産地からの仕入れはかなり少なく、露天商の参入機会が限られていることが考えられる。流通魚種が海産魚であること、露天市場の形成に規制が大きいことも、この一元的な流通経路形成の背景にあると考えられる。
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