2005 Fiscal Year Annual Research Report
北米先住民社会における生業および特定資源の意義、利用に関する人類学的研究
Project/Area Number |
17720225
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
立川 陽仁 三重大学, 人文学部, 講師 (20397508)
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Keywords | 北米先住民 / クワクワカワクゥ / サケ漁業 / 水産資源 |
Research Abstract |
今年度の研究は、おもに2つの側面でおこなっている。 第1に、北米・北西海岸先住民のサケの意義については、過去の科研研究期間中の成果を総括する意味もふくめて、博士論文「近代産業のなかの北米先住民-クワクワカワクゥ社会におけるサケ漁業の歴史的意義に関する人類学的研究」(東京都立大学・社会人類学)のなかでまとめた。本論文では、カナダの先住民族クワクワカワクゥをはじめとする、北西海岸先住民の企業家層が従事するサケ漁業の操業に関する民族誌的なデータをもとに、サケが歴史的かつ現代的にもつ先住民社会での社会・経済的意義について考察している。 第2に、同じくクワクワカワクゥ社会を題材にして、サケ以外の資源が先住民社会に対してもつ意義についての研究にも着手した。公刊された成果は少ないが、ニシンの意義については7月に、オヒョウの意義については10月に研究会、シンポジウムなどの場で口頭発表している。また、オヒョウの意義については、民族誌的データの概要の一部が『月間みんぱく』11月号のなかでエッセイとして公刊されており、またさらに詳しい意義の研究成果も公刊される予定である。 なお、本年度はこれらの研究成果に加え、2度の実地におけるフィールドワークも実施している。第1回目は6月に約1週間を費やしておこなったものであり、このときには先住民社会で資源が公的に消費される場と位置づけられるポトラッチに参加した。第2回目は9月に約3週間かけておこなったものであり、おもに上記博士論文作成のための補足的なデータ収集が目的であった。
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Research Products
(2 results)