2005 Fiscal Year Annual Research Report
言語的社会化をめぐる養育者-子ども間相互行為に関する文化人類学的研究
Project/Area Number |
17720227
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高田 明 京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 助手 (70378826)
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Keywords | サン / 相互行為 / アセスメント / 乳児 / 養育者 / 会話 / ナミビア / 社会化 |
Research Abstract |
本研究は,養育者の子どもに向けた言語的働きかけとそれに対する子どもの応答に注目し,さらに子どもの応答に対して大人が言語的・非言語的にどのようなアセスメント(発話の文脈から示される評価)を行っているのか,さらにはそうしたアセスメントという行為を通じてサンの「文化」を構成するさまざまな社会的制度が養育者-子ども間の相互行為にどのように関わってくるのかを検討するものである. 本年度は,これまでに得られている0歳児一養育者間の相互行為に関する映像・会話資料を用いて,WH質問-応答連鎖におけるアセスメントの事例について整理・分析を行った.これまでHi8方式で蓄積されている映像・会話資料をデジタル化した. また研究成果の一部をまとめ,7月にイタリアのリバ・デル・ガルダで開催された国際語用論学会(IPrA),およびイタリアのストレーサで開催される認知科学協会(CogSci2005)において研究発表およびこれらに参加する研究者と研究打合わせを行った.また,トレント大学社会学部を訪問して,社会的相互行為を専門とする研究者と研究打合わせを行った. 2-3月にかけては,申請者がこれまで調査を進めてきたナミビア共和国オハングエナ地域において,クン・サンの養育者-子ども(おもに1〜4歳児)間の相互行為に関する資料を収集した. さらに3月には,日本発達心理学会の大会準備委員会企画シンポジウム「子育てという文化」において「相互行為と文化:サンの養育者-乳児間相互行為における「アセスメント」の分析」というタイトルで研究発表を行った.
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Research Products
(3 results)