2007 Fiscal Year Annual Research Report
言語的社会化をめぐる養育者-子ども間相互行為に関する文化人類学的研究
Project/Area Number |
17720227
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高田 明 Kyoto University, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 助教 (70378826)
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Keywords | サン / 会話 / アセスメント / 乳幼児 / ボツワナ / ナミビア / 社会化 / 文化学習 |
Research Abstract |
本研究では,大人の言語的働きかけに対する子どもの応答に注目し,子どもの応答に対して大人が言語的・非言語的にどのようなアセスメントを行っているのかを検討してきた.その結果,サンの乳幼児はその限られた行為のバラエティを効果的に用いて養育者-乳幼児間相互行為の局所的な文脈に反応していること,一方,養育者は乳幼児よりも広い社会的な参与枠組みに関わりながら相互行為を行っていることが明らかになってきた.本年度は,サンで明らかになった特徴について米国や日本のデータとの比較・検討を行った.また研究成果の一部をまとめ,5月に"AES/CASCA Joint Conference"において研究発表およびこれに参加する研究者と研究打合わせを行った.また本課題を進める上では,相互行為分析の分析概念を習得した上で多くのデータからパターンを見出す作業を繰り返さねばならない.この作業のため,7-9月にこの分野の世界的研究拠点である米国のUCLAに客員研究員として滞在し,研究打ち合わせや資料収集を行った.これらを通じて,「責任(responsibility)の基礎を相互行為における応答可能性(ability of response)に求め,様々な文化において養育者と乳幼児が同時に社会化していく道筋を明らかにすることで文化学習(Tomasello,1999)が成り立つ仕組みを再考する」という研究方針について議論した.さらに,(1)乳児の規則性を用いた行動の相互調整,(2)初期音声コミュニケーションにおける音楽性,(3)乳幼児によるエージェンシーの表示と解釈,(4)相互行為としての模倣活動という4つの下位テーマについて研究を展開していく見通しが得られた.平成19年9月,本研究を発展させるために申請していた科研費補助金(若手研究(S):研究課題名「養育者-子ども間相互行為における責任の文化的形成」)の交付内定を受けたため,本研究を廃止する運びとなった.
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Research Products
(7 results)