2005 Fiscal Year Annual Research Report
ポスト狩猟採集社会における文化変容に関する人類学的研究
Project/Area Number |
17720228
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
分藤 大翼 京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 研修員 (70397579)
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Keywords | 狩猟採集社会 / 文化変容 / 精霊儀礼 / 映像 / アーカイブ / 人類学 / カメルーン |
Research Abstract |
本研究は、アフリカ狩猟採集社会の文化変容を継続的に明らかにするため、現状を映像によって記録し、視聴覚資料を蓄積することを目的のひとつとしている。また、制作した映像民族誌は、比較・参考の有効な資料として、多くの研究者に視聴されることが望まれる。そのため、2005年5月29日に開催された日本アフリカ学会第42回学術大会において、「映像フォーラム」という部門を主催し映像民族誌の上映と質疑応答を行った。また、12月23日に開催された京都人類学研究会においても、同様に上映と質疑応答を行った。さらに、海外においても2006年3月10日から19日にかけてフランス、パリで開催された国際ドキュメンタリー映画祭(Cin ma du R el)に作品が入選し、招待上映と質疑応答が行われ、広く一般に研究成果を発表する機会を得た。 2005年の8月から9月にかけて実施したカメルーン共和国東部州における調査では、1996年以来継続しているBakaの人口動態の調査を行い、さらに政府機関においても人口統計資料の収集を行った。また、仮面儀礼や音楽舞踊、儀礼と密接な「精霊」に関するインタヴュー調査を実施し、近年の実践状況や人々の認識の変化に関する資料を得た。また、ビデオによる音楽実践の撮影も併せて行った。 これらの研究成果の一部は、「木霊する森-ピグミーと精霊-」と題する論文として(「神奈川大学評論」第51号掲載)、また、「ピグミーの森の音楽」と題するエッセイとして(「ソトコト」12月号掲載)発表した。また、3月に滞在したフランスでは、中央アフリカの狩猟採集社会に関する資料を収集するとともに、民族音楽学者をはじめとする研究グループ(Centre National de la Recherche Scientifique)の会合に参加し、発表・討論を行った。
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