2006 Fiscal Year Annual Research Report
ポスト狩猟採集社会における文化変容に関する人類学的研究
Project/Area Number |
17720228
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
分藤 大翼 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 研修員 (70397579)
|
Keywords | 狩猟採集社会 / 文化変容 / 仮面儀礼 / カメルーン共和国 / バカ・ピグミー / 民族誌映画 |
Research Abstract |
本研究の目的は、アフリカ狩猟採集社会における文化変容を、仮面儀礼や音楽舞踊の実践といった人々の社会的相互行為の実態に即して解明することである。また調査地域の歴史の解明や、現状を記録するためのビデオによる撮影、民族誌映画の作成も重要な目的としている。本年度は、カメルーン共和国において現地調査をおこなうと共に、映像による記録とその活用について知見を深めるため海外の映画祭にも参加した。また、報告者の制作した民族誌映画を国内外の上映会、映画祭で上映し、専門家、一般の観衆とともに討議を重ねた。 現地調査では、継続的におこなっている仮面儀礼や音楽舞踊の調査や、調査村の人口動態や地域史に関わる聞き取り調査、ならびにビデオによる撮影をおこなった。本年度の成果としては、アフリカ狩猟採集社会の文化変容の一面を仮面儀礼や音楽舞踊の実践の分析から明らかにした研究は、『ポスト狩猟採集社会の文化変容-仮面儀礼の受容と転用-』という題目で、学術誌「アジア・アフリカ地域研究」に投稿し掲載された。また、民族誌映画の制作の経緯や問題点、可能性を記した論文「『他者』としての私を撮る-カメルーン、森の民とともに-」は、共著書の一章として出版された。映画祭等への参加としては、アムステルダムで開催されたBeeld voor Beeld映画祭ににおいて、危機的な状況にある文化を映像によって記録するプロジェクトと、熱帯博物館における視聴覚資料による無形文化財の展示に関するセミナーに参加したこと。アフリカの映像作家と協働し、アフリカ地域において映像記録を活用する可能性を探るためにブルキナファソ、ワガドクで開催されたアフリカ最大の映画祭FESPACOに参加したことが挙げられる。その他にも、本研究に関する発表は、日本アフリカ学会、日本文化人類学会、日本マスコミ学会、各種研究会において行った。
|