2005 Fiscal Year Annual Research Report
我国議会法制の立案過程の研究 -現行国会法・議院規則の制定過程を中心に-
Project/Area Number |
17730016
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
赤坂 幸一 金沢大学, 法学部, 助教授 (90362011)
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Keywords | 議会 / 憲法 / 憲法史 / 議院規則 / 占領史 |
Research Abstract |
本科研費における研究では、憲政資料室所蔵史料やGHQ文書等を利用することによって、現行国会法・議院規則の立案過程を解明することを目指している。この立案過程は憲法典の制定と並行して行われたが、それゆえに憲法制定過程における条文・理念の変更に応じてその都度修正されるという過程を辿ることになった。したがって、(1)国会制度に関する憲法制定過程上の議論に目を配りつつ、(2)臨時法制調査会・議院法規調査委員会等における国会法の立案過程を検討しなければならない。また、(3)その過程でジャスティン・ウィリアムズを始めとするGHQ側がどのような影響を与えたのかについても、解明しなければならない。 後掲論文「占領期に於ける国会法立案過程」は、そのような観点から、臨時法制調査会および衆議院事務局で国会法の立案が行われた際の具体的な検討の跡を、新史料『内藤文書』を用いて明らかにしようとするものである。『内藤文書』は、従来その存在を知られていなかった第一級の憲政資料であり、衆議院事務局の依頼を受けて、史料集『内藤文書〔全5巻〕』を作成すると同時に、そのCD-R版も作成した(ともに衆議院事務局所蔵)。 また、GHQの与えた影響を解明する主要な史料を残したウィリアムズが、占領のさなかに書き残した記録「占領期における議会制度改革」の翻訳も行った。ウィリアムズ文書と併せ読むことにより、占領期の議会制度改革をより立体的に捉える事が可能となったといえよう。
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