2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17730035
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
松宮 広和 群馬大学, 社会情報学部, 講師 (90375527)
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Keywords | インターネット / ユビキタス / ブロードバンド / 電気通信 / 放送 / 通信と放送の融合 / 電磁波の周波数政策 / IP電話及びVoIP |
Research Abstract |
本研究の目的は、高度なユビキタス社会を実現する情報通信政策のあり方を検討することにある。平成17年度は、「ユビキタス社会の実現に不可欠なインターネット通信の無線ブロードバンド化を促進する競争政策のあり方」及び関連する事項についての研究に従事してきた。 まず、無線通信の実現に不可欠な電磁波の周波数の割当ての問題については、従来の研究を発展させる形で、次頁の拙稿(1)を公表した。ここでは、1990年代以降に欧米で採用された専ら周波数を開放することによって競争者の新規参入をもたらす政策は、必ずしも社会の厚生の実現に有用ではなく、一定の範囲で管理された競争環境の下で有効な競争単位を創出し、消費者へのより良いサービスの提供を実現することが重要であること、を指摘した。次に、無線通信と密接に関連する有線のブロードバンド・サービスについては、次頁の拙稿(2)を公表した。ここでは、現在の米国では施設ベースの競争を促進する目的で規制緩和が行われ、有線のブロードバンド・サービスを情報サービスとして規制する政策が確立したが、当該政策が、将来的にはインターネット上のコンテンツの流通等を阻害する危険性を有することを指摘した。当該研究は、次年度以降の研究の基礎となるものである。更に、マス-マーケットのブロードバンド・サービスの普及に付随して急速に普及してきたIP電話(又はより広くVoIP)について、次頁の拙稿(3)を公表した。ここでは、如何にして既存の電気通信制度の下で提供されるサービスと同等又はそれ以上のサービスを消費者に提供することが可能な規制的枠組みを構築するか、という問題について、特に米国におけるIP電話規制の現状と今後の課題を取り上げて、詳細な検討を行った。 以上は、論文の形で公表された、今年度に獲得された研究成果の一部である。本年度の研究は、十分にその意義を有すると述べて差し支えないと思われる。
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