2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17730036
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
水町 勇一郎 東京大学, 社会科学研究所, 助教授 (20239255)
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Keywords | 労働法 / フランス:アメリカ / 構造的アプローチ / 法の手続化 |
Research Abstract |
平成17年度から18年度にかけて、フランスやアメリカを中心とする欧米諸国の関係文献・資料の収集を継続するとともに、フランスの「法の手続化」とアメリカの「構造的アプローチ」との異同に焦点をあてながら両者を比較研究し、その基盤、手法、影響に関する総合的分析作業を行った。 また、日本の社会と労働法制のあり方に関する文献・資料を収集・分析しつつ、国内で開催される社会や労働法制のあり方に関する学会、研究会、講演会などに参加する。さらに、日本における思想・哲学と法との関係、日本企業における新たな人事管理の手法と法との関係を解明するために、法学・哲学・人事管理の研究者や企業の人事労務担当者等と面談し聞き取り調査を行った。 以上の基礎作業をもとに、「手続的・構造的アプローチ」の多角的・融合的研究を行い、このアプローチが日本の社会や労働法制のあり方に与える意味を考察した。その成果の一部(萌芽的部分)は、水町勇一郎編『個人か集団か?変わる労働と法』(勁草書房、2006)のなかで公表した。そこでは、日本の労働法制のなかに既にみられる「手続的・構造的アプローチ」の分析、そこに内在する問題点、今後の労働法制における改革の方向性と留意点などが示されている。 また、2006年9月にパリで開催された国際労働法社会保障法学会世界会議の場で「生産現場の分権化と法」に関するコメントを行い、「手続的・構造的アプローチ」のもつ国際的な含意と可能性について発表した。 これらの基礎的・萌芽的な比較分析をもとに、「手続的・構造的アプローチ」を基盤とした労働法制のあり方を体系的に示す作業を、現在継続的に行っているところである。
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