2005 Fiscal Year Annual Research Report
知的財産権ライセンス契約の法的構造・解釈と知的財産権侵害に関する統合的研究
Project/Area Number |
17730057
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
平嶋 竜太 筑波大学, 大学院・ビジネス科学研究科, 助教授 (70302792)
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Keywords | 知的財産権ライセンス契約 / オープンソース / 知的財産権侵害 / パテントプール / 契約解釈法理 |
Research Abstract |
本研究は、昨今規模的拡大と多様化の著しい情報財取引における法的基礎を構成する知的財産権ライセンス契約について、その法的構造の本質の解明を行うとともに、ライセンス契約一般を前提として生じうる知的財産権侵害行為の評価について統合的に説明付けるための法理の構築を目的とする。具体的には、知的財産権ライセンス契約の法的構造及びその契約解釈法理についての分析・検討、オープンソース・モデルやパテントプールといった具体的なライセンスモデルについての検討、知的財産権ライセンス契約の内容に違反した場合の法的効果についての検討、等を基に、知的財産権ライセンス契約の成立性や内容の解釈と当該契約違反の場合の知的財産権侵害の評価を統合的に行うための法理論の構築を行うことを目指す。 本研究は、(1)研究に必要な基礎的資料の収集とその充実、(2)資料分析、検討項目の洗い出しと整理、(3)検討各項目についての研究、(4)各研究項目を統合させた総合的検討と追加的研究項目の抽出、(5)最終的な取りまとめ、といった流れで進めることを計画している。 本年度(平成17年度)においては、当初の計画通り、(1)及び(2)に十分な検討期間を割り当て、一部検討項目は(3)の段階に着手を行った。(1)及び(2)については、所期の計画通り、内外にわたって基礎的資料を幅広く収集を行った。(3)の研究においては、特許ライセンス契約を前提として、当該ライセンス契約違反行為について特許権侵害行為であるのか単なる契約違反として評価するのかを峻別するメルクマールについて検討し、試案の構築を試みた。 来年度(平成18年度)は、継続して(3)の各検討項目に関する研究を中心に進め、(4)での総合的検討を踏まえて、(5)の最終的取りまとめを行う計画である。とりわけ、昨今のソフトウエア開発モデルとして注目を集めているオープンソース・モデルを前提とした分析・検討に重点を置いた研究を行うことを予定している。
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