2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17730104
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
金 哲 九州大学, 大学院法学研究院, 講師 (70380657)
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Keywords | 東満州 / 中国共産党 / 朝鮮民族 |
Research Abstract |
この一年間における史料収集および収集した史料による実証研究から一番重要かつ成果としてあげられることができるのは、従来の中国現代政治研究および中国共産党研究において、あまり研究されていないまたは史料の制約によって、研究されていない、1920年代後半から1930年代初頭の地方における中国共産党の政策およびその政策の内容を明らかにするために必要不可欠である未公開史料を収集によって、当時の中国共産党が明らかに一党支配体制を目指していたことが実証できるようになったということである。 従来のこの時代における中国共産党に関する研究は、中国共産党とソ連、中国共産党とコミンテルンという中央レベルにおける研究が中心であったため、中国共産党独自の政策および政策に内包されていた事実が明らかにされていなかった。このことから、このたび、地方における資料収集によって、中国共産党研究の中央レベルにおける研究から、地方を中心とする研究軸が新たに提示することができた。すなわち、今年における史料収集によって、従来の中国共産党先行研究において、実証できなかった事実および発掘されていなかった諸政策の内容を明らかにすることができ、中国共産党研究の空白を埋めることができた。 また、この時期の地方における中国共産党の主な政策というのは、中国共産党の独自政策である故に、その独自政策の中には明らかに民族的要素が盛り込まれていたことである。すなわち、地方における中国共産党の政策には、明らかに漢民族を中心とする中国共産党組織の建設と中国共産党員の養成が盛り込まれていた。従来のこの時代における中国共産党の先行研究には、民族的要素を中心とした研究があまりなされてないのが現実である。今年の史料収集によって、この時代の中国共産党の地方における政策には、明らかに漢民族を中心とした中国共産党の建設が目標であったことが実証できる。最後に、18年度における史料収集をも詳細かつ厳密に行なうということで、完壁な論文として18年度に絶対的に提出することにする。
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