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2007 Fiscal Year Annual Research Report

ASPAC再考:アジア地域主義の一事例として

Research Project

Project/Area Number 17730119
Research InstitutionTokyo University of Science

Principal Investigator

大庭 三枝  Tokyo University of Science, 工学部第一部・教養, 准教授 (70313210)

KeywordsASPAC / 日本 / オーストラリア / 地域主義 / ASEAN / SEAARC / APO / 東南イジア
Research Abstract

本研究は、ASPACの発足、ASPACの閣僚会議や常任委員会で行われた加盟国の地域協力のあり方を巡る協議、ASPACおよびその下部機関で実際に行われた活動、さらに米中和解を直接的契機としてASPACが機能停止に至る過程を改めて一次資料を用いて明らかにすることを目的としている。
今年度は最終年度であるが、引き続き資料収集作業とその分析作業を行った。オーストラリア国立公文書館において、ASPACに関わる様々な資料が新たに公開されていたことが確認されたからである。
この度の調査で改めてわかったことは、いくつかある。まず、ASPACを巡る各国の動きは、ASEAN、SEAARC,APOなど当時存在していたその他の様々な国際組織における各国の動きとの関連を考察しなければいけないということである。今後、ベトナム戦争やグアムドクトリンの発出、米中和解など、当時の様々な動向が、いかにアジアにおける諸地域主義に影響を及ぼしたか、という広い文脈の中でASPACを位置づける必要がある。
もう一つは、1972-73年の動向についてである。この時期、日本とオーストラリアを中心として、ASPACに代わる組織の設立を模索していたことを示唆する資料がいくつか存在している。単にASPACに見切りをつけ、そこから実質的に脱退していくのみならず、新しい状況に対応した形の地域組織を志向する動きが両国にみられたことは非常に興味深い。さらにこの時期には、フィリピンによりAsian Forumが開催されるなど、東南アジア諸国から地域主義への動きが活発化した。ASEANが事実上政治協力を強化する時期とも重なり、この70年代初頭の動きを追うことは、単にASPAC研究や地域主義研究という観点からではなく、東南アジアにおける国際政治史の観点からも意義があると思われる。今後、この時期についての検討もさらに深めていく必要がある。
平成20年度は最終年度であったが、上記のような新たな問題意識のもと、今後も研究を進めていく所存である。予定がかなりずれ込んでいるが、この三年間で得た成果は、論文や研究ノートの形でなるべく早くまとめるつもりである。

  • Research Products

    (2 results)

All 2008 2007

All Book (2 results)

  • [Book] 『知的財産政策とマネジメント:公共性と知的財産権の最適バランスをめぐって』2008

    • Author(s)
      隅藏康-編著
    • Total Pages
      233-255
    • Publisher
      白桃書房
  • [Book] Asia's New Institutional Architecture: Evolving Structures for Managing Trade, Financial, and Security Relations2007

    • Author(s)
      Vinod K. Aggarwal and Min Gyo Koo eds.,
    • Total Pages
      89-120
    • Publisher
      Springer

URL: 

Published: 2010-02-04   Modified: 2016-04-21  

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