2006 Fiscal Year Annual Research Report
国際レジュームの機能強化に関する研究:OSCEの選挙監視活動を事例として
Project/Area Number |
17730121
|
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
宮脇 昇 立命館大学, 政策科学部, 助教授 (50289336)
|
Keywords | OSCE / CSCE / 人権 / レジーム / NGO / as if game / 紛争予防 / 選挙監視 |
Research Abstract |
今年度において本研究を通じて明確になったことは、選挙監視活動や紛争予防に関するOSCEの活動をめぐって、西側とロシアの間で大きな政治的亀裂が生じており、これがOSCEのレジームとしての持続性に暗影を投げかけているということである。 研究代表者による今年度の研究は、OSCE参加国におけるOSCEの活動理念、現状、そして改革をめぐる議論を、レジームの持続性と有効性の観点から探るものであった。そのため、2006年8月に、OSCE事務局のあるウィーンのオーストリア外務省、日本大使館、NGO、ベラルーシのOSCE代表部とのインタビューを行い、OSCEのおかれている国際政治状況の変化、とりわけ旧ソ連諸国における民主化動向と西側諸国との関係を明確にすることができた。更に翌月、ベラルーシ、ウクライナ、モルドバにおけるOSCEミッション(現地活動団)の活動を調査するべく、これら三カ国のOSCE現地活動団、外務省、NGO等を訪間し、OSCEの持続性と有効性のジレンマが紛争予防の現場においてどのように発現しているかを調査した。 こうした調査に加えて、文献資料の収集を行い、紛争予防の観点からOSCEのおかれた状況を<as ifgame>の観点から分析し、その一部を「OSCE(欧州安全保障協力機構)の常駐使節団(現地活動団)と紛争予防」(日本国際法学会2006年度秋季大会、於 横浜国立大学)と題して報告を行った。またOSCEの持続性と有効性のジレンマの源流を冷戦期に見いだすべく、2007年2月に「CSCEにおけるアメリカ外交とオーストリア外交の対比」と題して「CSCE/OSCE研究会(CSCE成立史研究会)」にて報告した。これらの報告をもとに、「国際政治における嘘と<as if game>-冷戦期のCSCEと人権NGO-」と題して論文を発表した。
|
Research Products
(1 results)